カスタマージャーニーマップの作り方 ~アウェアネスからコンバージョンまで~

顧客は、商品やブランドを一目見て、その場で買ってくれるほど単純ではありません。購入してもらうまでには、ひと手間かかります。顧客をアウェアネスからエデュケーション、そしてコンバージョンまでの旅に誘う必要があります。

マーケティングのチャネルとデータは、日に日に増えています。それに従いマーケターの間では、この多様な情報と偏在するタッチポイントを使って、一貫性のあるカスタマーエクスペリエンスを提供することができる、という考えが普及しています。このような背景から、「カスタマージャーニー」に対する関心は、大きな高まりを見せています。

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では、その「カスタマージャーニー」はどのように作るのでしょうか。まずは、顧客が商品やサービスを購入するまでに辿るルートを理解することから始まります。そして、顧客が辿るルートを理解するためには、カスタマージャーニーマップが必要になります。このブログでは、カスタマージャーニーマップの作り方について見ていきたいと思います。

  • カスタマージャーニーとは?
  • カスタマージャーニーマッピングとは?
  • カスタマージャーニーマップを作るメリットは?
  • カスタマージャーニーマップの作り方
  • カスタマージャーニーマーケティング
  • まとめ

カスタマージャーニーとは?

カスタマージャーニーとは、顧客が自社の商品やサービスを知り、最終的にコンバージョン行動を取るまでに辿る道のりのことをいいます。ビジネスの種類によって、色々な道のりが存在します。

高額な買い物の場合、カスタマージャーニーの完了までに数週間かかることもあります。例えば、家や車、SaaS、旅行などは購入までに時間を要します。このようなカスタマージャーニーでは、顧客に自社の商品についてよく学んでもらうことが重要になります。小さな買い物や衝動的な買い物の場合は、カスタマージャーニーは短期間で、タッチポイントは1つであることが多いです。

カスタマージャーニーが長くなればなるほど、タッチポイントは増えていきます。タッチポイントとは、顧客とコミュニケーションを取るポイントを指します。Eメールやソーシャルメディア、ウェブサイトなどを通じた、デジタルなコミュニケーションもあれば、電話、店頭、イベント等によるオフラインのコミュニケーションもあります。全てのタッチポイントが顧客をコンバートするきっかけとなるので、どれもしっかりと策を練る必要があります。

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Marketing Weekより

カスタマージャーニーマッピングとは?

カスタマージャーニーマップとは、顧客がコンバージョンに至るまでに辿る道のりを、視覚化した図のことをいいます。

カスタマージャーニーマップは、業界や、会社、更には顧客によっても異なります。カスタマージャーニーマップを作るためには、まず顧客の購買行動の動機や感情を知ることが大切です。また、顧客がカスタマージャーニーを進む上で、何に背中を押されているのかを理解する必要があります。

顧客の購買行動の背景が分かれば、カスタマージャーニーの各段階にいる顧客と、最適なコミュニケーションを取ることができるようになります。こうすることで、あらゆるプラットフォームやマーケティングキャンペーン全体を通してメッセージを伝えやすくなり、一貫性のあるカスタマーエクスペリエンスを提供することができるようになります。

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Kampyleより

カスタマージャーニーマップのメリット

しかしなぜ、わざわざカスタマージャーニーマップを作成する必要があるのでしょうか。もちろん、マップを使わなくてもビジネスは成り立ちます。ですが現代のビジネスでは、カスタマージャーニーマップなしでマーケティングを行うのは、非常に難しいのが現実です。ここでは、一度は考慮すべきカスタマージャーニーマップのメリットについて、いくつかご紹介します。

  • 全体像が明確になる:顧客が自社とのコミュニケーションを、どこで、どのタイミングで取るのか、全体像を俯瞰できます。
  • 的が絞られる:カスタマージャーニーの各ステージにおいて、バイヤーペルソナ(顧客像)の購買意欲を満たすための、的を絞ったメッセージを作成することができます。
  • 目的が定まる:カスタマージャーニーの各ステージにおいて、目的、行動喚起、KPIを定めてキャンペーンを構築することができます。
  • ギャップを把握できる:カスタマージャーニーのステージを進むよう顧客を誘導する上で、現在不足しているコンテンツをあぶり出すことができます。
  • 問題点を抽出できる:現在顧客を逃す原因となっているボトルネックや問題点を抽出し、優先順位をつけて対応することができます。
  • 投資すべきポイントを把握できる:カスタマージャーニーのはじめから終わりまで、継続的な人の流れを得るために、資金を投入するべきポイントを把握することができます。
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Aberdeen Groupより

カスタマージャーニーマップの作り方

カスタマージャーニーマップの重要性と、必要性についてご理解いただけたと思います。次は、自社のマップを作るためのステップをご紹介します。

顧客を定める

顧客の購買意欲や購入に至るまでの行動理由はそれぞれ違うので、カスタマージャーニーで取る行動も同じではありません。そこで、バイヤーペルソナを設定する必要があります。

バイヤーペルソナの設定には色々な方法があります。例えば、既存顧客や潜在顧客に対してインタビューを行ったり、ネット上でアンケートを取ったり、お持ちのデータを掘り下げて顧客の特徴を分析するなどの方法が考えられます。ウェブサイト、CRM、ソーシャルメディア、広告など、使えるデータがあれば、どのようなものでも役に立ちます。Facebookオーディエンスインサイトなどのツールを生かして、デモグラフィックデータから行動や興味関心、アフィニティまで、既存顧客の特徴についてより深く知ることもできます。

このステップが完了したら、次は設定したペルソナの特徴に合わせて、カスタマージャーニーマップを作成します。

タッチポイントをリストアップする

カスタマージャーニーのはじめから終わりまで、顧客とコミュニケーションを取る可能性のあるポイントを全てリストアップします。

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図:QuickSprout

ウェブサイト、ソーシャルメディア、広告、メール、チャットボット、電話、イベント、店内プロモーション、商品パッケージ、商品の説明書、商品自体などが挙げられます。この他にも、様々なものがタッチポイントになりえます。考えうるタッチポイントを全てリストアップし、顧客がどのポイントで自社のメッセージに出会うか、どのようなメッセージを受け取るかを洗い出しましょう。

顧客の75%は、カスタマージャーニーのどこでつながりを持つか(ウェブサイト、ソーシャルメディア、モバイル、対面など)に関わらず、一貫したカスタマーエクスペリエンスを期待しています。

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Salesforceより

フレームワークを作成する

フレームワークを行うにあたって、まずカスタマージャーニーにおけるゴールを設定します。顧客に最終的に取ってもらいたいコンバージョンイベントは何ですか?

次に、バイヤーペルソナが旅を始める、出発点を設定します。カスタマージャーニーを歩み始める上で、ネックになっていそうな点は何でしょうか?

カスタマージャーニーの始点と終点を設定したら、次はペルソナが商品やサービスの購入を決定するまでに通るステージを設定します。カスタマージャーニーを歩み続けるために、ペルソナが乗り越えなければならない課題や感情は、どのようなものがあるでしょうか?

続いて、各ペルソナがカスタマージャーニーを進む中で下す判断について、フレームワークを作成していきます。それぞれの意思決定の場面で、ペルソナにたどり着いて欲しいゴールを設定し、ペルソナが次のステージに進むのを誘導します。ゴールに対する進捗の測り方も明確にしておくことが大切です。これが完成すれば、フレームワークの出来上がりです。

道筋を視覚化する

フレームワークができたところで、次はカスタマージャーニーの各ステージにおけるチャネル、コンテンツ、そしてメッセージを設定します。これを設定することで、カスタマージャーニー全体を通してメッセージに一貫性を持たせることができます。ここまでできれば、カスタマージャーニーマップの完成です!

下図は、Forrester Research社がエクセルで作成した、カスタマージャーニーマップの一例です。

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カスタマージャーニーマーケティング

カスタマージャーニーマーケティング戦略を成功に導くためには、重要な点がいくつかあります。

データ

カスタマージャーニーの各ステージにおいて、データがチャネルを越えて一貫していることを、改めて確認する必要があります。これは、できないことではないですが、口で言うほど簡単ではありません。そこで役に立つのが、FacebookやGoogle、DMPなどのプラットフォームを統合した、マーケティングオートメーション(MA)や顧客管理(CRM)システムです。これらをうまく使って、自社のコミュニケーションやキャンペーンをチャネル全体を通して一貫させましょう。

繰り返し

カスタマージャーニーマップを作成し、各ステージにおけるキャンペーンやメッセージを一貫させ、始動しても、まだまだ終わりではありません。カスタマージャーニーを通して、顧客を逃しているステージを中心に、キャンペーンを継続的に反復し、改善していく必要があります。ボトルネックとなっている点を特定して、新しいコンテンツやメッセージを試しましょう。これの繰り返しです。

マルチステージのカスタマージャーニーキャンペーンを作成するための詳細な方法については、当社の最新のebookをダウンロードしてご覧いただけます。

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McKinseyより

まとめ

カスタマージャーニーマーケティングでは、各チャネルやキャンペーンを、切り離さず繋げて考えること、そして顧客は皆それぞれ同じではないということを意識することが大切です。

一人ひとり異なる顧客に適したメッセージを発信し、カスタマージャーニー全体を通してブレのない、一貫したカスタマーエクスペリエンスを提供する必要があります。それが、顧客が求めていることなのです。もしこの期待に応えられなければ、顧客は期待に応えてくれるライバル社に流れてしまうでしょう。

一貫性のあるカスタマージャーニーエクスペリエンスを提供するための初めの一歩は、カスタマージャーニーを理解することです。そして、カスタマージャーニーを理解するためには、カスタマージャーニーマップが必要になるのです。